開発ストーリー

人にやさしく、組織を育てるフレーム&ワーク モジュール®
開発に至るストーリー(協会設立までのHistory)

みなさま、当協会の代表理事、田原祐子です。1998年に株式会社ベーシックを創業し、今日まで「営業戦略」と「人材育成」のコンサルティングを手がけてまいりました。

創業以前の私は、20代後半で初めて仕事の現場に身を投じ、激しい営業職の波に翻弄されながらも結果を出し、次への手がかりを探して走り続けておりました。
その始まりの日から30年近くが過ぎ、いま、私は自分の人生が「日本の職場に存在する」ありとあらゆる問題にさらされ直面してきたことに思い至ります。

・背中を見て育てる方式での、仕事のスキル習得の苦労。
・頑張り過ぎが周囲の嫉妬や思惑を呼び、引きずり降ろされる。
・業績を上げていても評価されず、苦しむ。
・パワハラ、マタハラが潜み、避けては通れない。
・仕事に追われ、家庭との両立にもがき、ワークライフバランスが崩れる。
・創業してからは、社員のマネジメントに失敗し、人材が育たない。
・世代の仕事感ギャップによる、上司と部下の不満やトラブル。
・さまざまな年代の男女が交じり合って働くダイバーシティへの抵抗。
・社員の頑張りが、業績に反映できていない。

みなさまの現場でも思い当たることが多いのではないでしょうか。マネジメントの悩みは深く、尽きません。

しかし、日本の職場に潜んでいる、あるいは噴き出してくる多くの問題を経験し、分析し、解決策を探りながら、私は「日本の職場を確実に変える、新しいマネジメント」のしくみを作り上げることができました。それが、当協会が進めている“フレーム&ワークモジュール®”というメソドロジー(Methodology)です。

なぜ、その構築に至ったのか。「画期的な新マネジメント」はどう役立つのかをご説明させていただきます。きっとご興味をお持ちいただけると存じます。

日本の企業はついに、マネジメントの過渡期に立った。

この10年余りで職場に変化が押し寄せてきたと、感じていらっしゃるでしょう。

新入社員たちは、大学時代から就活のトレーニングを受け、企業が求める「やる気とビジョン」のある社員像を期待させます。それは何年、いや何か月くらい持続するのでしょうか。できる中堅のマネジメント社員は、当初は彼らを信じ、やがてその主張と実力の差に打ちのめされて負担を背負うことになっていないでしょうか。けれど、新入社員たちもまた、ガソリンが切れたような状態です。何を、どうやれば、自分の仕事をきちんと成し遂げたことになるのか。「教えてほしい」と心で叫んでいます。

実績を上げている上司が、「俺のやり方をよく見てついてこい」と言っても、部下がついて来られないのは、上司の日常業務が「習って行動できる見え方」になっていないためかもしれません。上司自身には十分に分かっていることも、部下には初めてなのです。上司は果たして伝える方法を持っているでしょうか。

また、子供が急に熱を出したからと早退する女性の部下に、冷たい視線を投げ、「だから子持ちの女性はあてにならない」と、思わずつぶやいて彼女の責任範囲を制限することは、日本企業では今も普通に行われています。会社は女性を戦力として育てたいと願い、自社の製品が女性の視点なくしては売れないことも理解しています。しかし、現場では急な穴が生まれると対応ができない。私にも経験があります。かつてオール電化拡販の最前線の営業として、吹きっさらしのテントの中で這いつくばって仕事をしても、業績がトップになっても、急な家庭の事情で現場を外せば評価はいっきに下がりました。

なぜ、人の目はネガティブなところにばかり向くのだろうか。「自分の経験」や「自分のテリトリー」を守るかたくなさが、日本のマネジメントの限界ではないかと、歯を食いしばりながら考えたものでした。

そういう私も、本当は独善的だったと気づく。

「自分は正しいのに、頑張っているのに、分かってもらえない」。

実は、ポストや年齢、性別に関わらず、誰もがそう思っているのです。常識に照らせば自分が正しいと。その常識こそ、年代や立場によって違うことを実感できないのですね。私もかつて、起業したばかりのころ、部下が次々に辞めていく事態に苦しみました。私ができることは部下もできて当たり前、教えたことはしっかり覚えて当たり前。でも、辞めたいというので給料を上げてみます。しかし、いくら手取り額を高くしても辞めていきました。

そのころ、娘が健康を害し精神的に追い込まれる状態に陥りました。良いと評判の病院を一緒にまわり、懸命に治療に取り組みましたが効果がありません。長く苦しい治療のさなか、ふと「私が娘をコントロールしようとしていたのではないか」と思い至りました。いい子はいい子でも「自分に都合のいい子」になって欲しかったのではないか。辞めていった部下たちも、同じだったのではないか。そう腹に落ちた時、猛省が私を叩きのめし、どん底から這いあがることも立つことすらできない状態となりました。上から指示され、強制されるだけの「暗黙の了解」に従う不安、そして不満。これが、日本の家庭も職場も抱えていた、古い慣習だと目を開かれる思い。

この衝撃的な経験を苦しみながら解決するプロセスが、私自身のマネジメントの在り方を根本的に変えるきっかけとなり、やがて娘も元気を取り戻していったのです。

経営者・上司もまた、人を育てる親のような心を持ち、上下なくリスペクトすることで、人が限りない才能を開花させていく様を、自らも、クライアントでも目の当たりにすることになりました。

それから私は、「コントロールではなく、互いが見えること」を真ん中に据えて、新しいマネジメントを着々と構築していきました。このマネジメントによって営業コンサルティングと時代を変えるほどのイノベーションが成功し、「オール電化」の普及率を1%から70%にするという記録的な結果を残すことができました。

個人の仕事を理解し、共有の好循環を生み出し続ける
「フレーム(基本形)」&「ワーク(実践・改善)」モジュール®メソッド

本来、仕事は「できた」という成長の喜びを与えてくれるものです。
フレーム&ワークモジュール®は、仕事をモジュール化し、「学習」と「実践」を活用したしくみです。

スタートは、個人一人ひとりの仕事内容を分化し、他者が理解できるようにすること。まるで自転車を漕げばこぐほど必ず上達し、加速して走り続けるような、力が漲る仕事感覚です。そしてまた、次へ進む。これを全社で実行すれば、業務間の連携も図れ、たとえ別部署へ異動しても「仕事」のバトンを渡せば機能します。

‘わかる’‘見える’‘できる’仕事のしくみは、あらゆる部門において、現場の人材の持つノウハウ、知恵といった『暗黙知』を組織に共有させ、企業内に蓄積させる。誰一人の動きさえもあますことなく、限りない財産として、積み上がっていきます。世代を超え、ベテランも新人も素晴らしい財産を創り蓄積させながら、そのノウハウをまた、進化させ続けることができるのです。

私は今日まで18年間、(株)ベーシックで指導してきたこの独自のメソッドを、人材育成・モチベーションアップ・組織開発等、社会に広く開示し貢献するため、一般社団法人フレームワーク普及促進協会を立ち上げました。

悩みを抱える現場を必ず変えられ、成果を出し続けられるコンサルティングメソッドを、学術関係者や国際的な経営組織から、「多くの企業と働く人々に必要な新しいしくみである」と応援をいただき踏み出すことに致しました。

「フレーム(基本形)」&「ワーク(実践・改善)」モジュール®メソッドを用いて全社を活性化する。さらに、そのインストラクター・コンサルタントを企業様の中で育てていただけたら、人にやさしい組織が動き出します。ご期待ください。