組織

協会理事ご紹介

龍谷大学名誉教授
元福知山公立大学 副学長 富野 暉一郎氏(元逗子市長)

富野氏

【EQFという国際共通フレームと人材育成】

フレームワークという人材育成の仕組みに初めて出会ったのは2006年の国際研究研究プロジェクトで実施した英国のパートナーシップ政策の現地調査でのことでした。当時ヨーロッパではEUの政治統合が進み、EU域内の労働力の移動を円滑に進めるために、教育システムと職業資格制度の共通化が強く求められていました。英国では早くから職業能力と教育システムを、初等教育から大学院や社会人対象の専門職業人教育までをカバーする共通の枠組みで運用する柔軟な資格フレームをNQF(国家職能資格フレーム)として運用していましたが、その英国の職業資格フレームを軸にEU全体としては2012年度から国際共通職業資格フレーム(EQF)が運用されています。

初めて出会ったフレームという概念は非常に新鮮なものでしたが、調査団の研究者全員が直ちにEQFの合理性と有効性を理解することができ、京都の産官学民と学会や関連団体の連携によってEQFの資格フレームに準拠した「地域公共政策士」資格制度の質保証と資格付与を行う「一般財団法人地域公共人材開発機構」が設立されて、現在その教育研修プログラム18本が各大学によって実際に運用されています。

フレーム&ワーク協会の田原さんに偶然の機会にお目にかかるまでは、フレームワークを直接人材育成や研修に活用する動きを承知していなかったため、田原さんから情報提供をいただいた折には少なからず驚き、その一方で日本でもフレームワークという概念が一般化する一つの歩みとして協会の設立を非常に喜ばしく思いました。

材育成におけるフレームワークという概念の有効性は今後一般化する過程で広く理解されることが期待されますが、多様な解釈や理解が可能な幅の広い概念であることから、具体的な人材育成のプログラムとして活用する場合、その信頼性を客観的に確保する方法論も同時に確立することをあわせて期待したいと思います。